アメリカ株暴落?リーマンショックの再来か?シリコンバレー銀行の経営破綻はなぜ起きた?

SVB(シリコンバレーバンク)が破綻したというニュースが各メディアで報道されています。


アメリカの銀行株のほとんどは株価が急落しその影響はアジアやヨーロッパにも波及している状況です。


リーマンショックの再来ではと不安に感じている方もいるのではないでしょうか?


この記事は、SVB(シリコンバレーバンク)の破綻の理由や今後にどのような影響がでるのかがわかる内容となっています。



目次

1.SVB(シリコンバレーバンク)ってどんな銀行?

2.なぜ破綻したの?

3.破綻した影響は?

4.今後のアメリカ経済の影響は?

 



1.SVB (シリコンバレーバンク)ってどんな銀行?

 

◆1983年に設立された銀行でシリコンバレーでの預金量の25.9%のシェアするなどアメリカの商業銀行の中でも16番目に大きな銀行です。SVBの地域では、Apple、インテル、Google、Facebook、Yahoo!などに代表されるソフトウェアやインターネット関連企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっています。SVBはこの地域でスタートアップ企業向けに融資をしてきたのです。また2022年にIPO(新規上場)した企業の44%がSVBの顧客でした。


まさにスタートアップ企業をイノベーションを支えた銀行です。



2.なぜ破綻したの?

 

◆FRBの金融緩和でお金が市場にあふれることでSVBの預金も上昇傾向にありました。一時期は預金残高が2倍に膨れ上がることもありました。SVBはその預金で満期まで保持する大量の国債などを購入したのが失敗の要因です。

2022年のウクライナ戦争勃発後に世界では、インフレが加速しています。アメリカもその国の一つです。まさか戦争に発展するまでは、誰も予測していなかったと思います。FRBは現在もインフレを抑制するために急激なペースで利上げを行っています。金利が上がると国債の利回りは上がり、価格は下落するため持っている国債などの評価損が発生してしまったのです。

SVBは、財務状況を補強するために約3000億円の増資をすると発表しました。投資家などはこの発表で経営危機なのではとパニックが起こり株価が約60%下落しました。また著名な投資家たちから預金を引き出した方が良いとのアナウンスも広がり3月9日には約5兆6700億円が引き出される事態に発展したのです。その後も預金の引き出しが続き3月10日に倒産しました。

SVBの投資先がシリコンバレーに集中していたことや、2月24日に大手会計事務所がSVBの財務状況に「お墨付き」を与えていたのも投資家の疑心暗鬼につながった要因です。




3.破綻した影響は?

 

スタートアップ企業は赤字企業が多く、今後の資金調達が難しくなると思われます。債券価格の下落により影響を受けている銀行は、リスクの高いスタートアップ企業に融資をする可能性が低くなるからです。今回のようなスタートアップ企業を支えてきたSVB等が破綻したこともスタートアップ企業の資金繰りの悪化につながる要因です。スタートアップ企業の資金繰りが悪化した場合は、解雇者増加」「設備投資減少」「滞納による連鎖倒産などで経済が低迷すると思われます。




4.今後のアメリカ経済の影響は?


◆過去のリーマンショックの再来かと経験者は考えるのではないでしょうか?リーマンショックのときもベア・スターズが破綻したときに政府が救済しましたが、リーマン・ブラーザーズは大きすぎて政府は救済しませんでした。政府が救済すると考えていた投資家は裏切られ世界的な不況に繋がりました。歴史は繰り替えされるのか今後は油断ができない状況だと思います。「あの時とは違う」などと述べている投資家もいるようですが、バブルは起きてから初めて認識できるのだから・・・


◆2023年2月14日に発表した2月の消費者物価指数が6%であり、目標のインフレ率の2%からはまだ開きがあるため今後も利上げが予測されます。ゴールドマンサックスはこれ以上の利上げはないとのアナウンスを出すなど利上げに対しても投資家の予測にも変化が見られます。FRB は今後も難しい舵取りを求められています。


◆ 景気が後退した場合はドル安になるので、ドルと逆相関の関係にあるのは「金」「新興株」「コモディティ」がよい投資対象と考えます。原油に関しては景気後退を意識してドル安でも下がっている傾向も見られますが長期的には上昇するのではないでしょうか。



 

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