直近の経済の覇権国は米国。GAFAが先導したと言っても過言ではないでしょう。ただ覇権国はオランダ、イギリス、米国、日本と歴史的に循環しているので新興国にもチャンスがあるのではないかと考えています。
そこで新興国シリーズ第一弾としてインド!!
今回は、新興国への投資はチャンスなのか?インドの魅力についてわかる内容となっております。今後は他の新興国の情報も順次お知らせしていく予定です。
新興国投資〜インド編〜
1.先進国の状況は?
2.インドの状況は?
3.インドの魅力は?
3.インドの投資商品は?
1.先進国の状況は?
IMFから金融不安で先進国を中心に成長が減速するとの見通しがでるなど、世界経済の成長率が低下するリスクがあります。コロナウイルス感染症対策での金融緩和やロシアウクライナ戦争などで急激なインフレが生じているのが主な要因です。各国の中央銀行は、金融引締を行うことで物価の安定に努めていますが、そのペースが早すぎて金融危機が生じるなど実体経済への影響がでています。
高齢化と生産年齢人口減少
米国以外の人口は、減少か微増な状況です。人口の減少は消費や生産性など経済に大きな影響を与えるので、米国以外は低成長ではなくマイナス成長が続く可能性もあります。
(出典)United Nations, World Population Prospects 2015 revision
経済成長に重要なのが生産年齢人口です。生産年齢人口とは、生産活動に就いている中核の労働力となるような年齢の人口で OECDは15~64歳の人口と定義をしています。2050年には、主要先進国のすべてが減少し、60歳以上の人口が増加する傾向にあります。少子高齢化が進むことで経済に影響が生じる可能性が高いです。
主要先進国の年齢構成比率
(出典)United Nations, World Population Prospects 2015 revision
人口減少と経済の関係
◆労働人口と生産性
➠人口が多い国や地域は、多くの労働力を有しています。これにより、多くの人が生産活動に従事できるため、生産性が向上する可能性があります。生産性が高いと、労働者一人当たりの生産物が増え、経済成長が促進されるとされています。
◆消費市場の拡大
➠人口が増加すると、消費市場が拡大します。需要の増加により、企業は商品やサービスをより多く売ることができ、売上高や利益が増加する可能性があります。これにより、経済成長が促進されることがあります。
◆労働力供給と需要
➠ 人口が減少すると、労働力供給が減少する可能性があります。労働力の減少は、企業の生産能力や労働市場の活性化に影響を与えることがあります。また、高齢化に伴い、年金や医療などの社会保障負担が増加するため、財政的な課題が生じる可能性もあります。
◆人的資本の形成
➠人口が増加すると、人的資本の形成が期待されます。人的資本とは、人々の教育・健康・技能などの能力や資本を指します。高い人的資本を持つ国や地域は、技術革新やイノベーションを促進し、経済成長を牽引することができるとされています。
2.インドの状況は?
インドの人口推移は上昇傾向にありインド経済の成長を支えると考えます。経済発展とともに出生率が死亡率を上回っているのも人口増の要因で今後さらなる増加が予測されています。
インドの人口予測
(出典)UNFPA(2019)
インドは、2021年から2040年半ばぐらいまで人口の半数が労働人口となるため経済成長が長期的に見込めます。インド政府は雇用創出に力を入れているのでインドの未来が楽しみです。
インドの人口構成
GDPランキング(単位:兆米ドル)
(出典)CebrのデータをもとにHSBCアセットマネジメント株式会社が作成
経済成長力は本物
3.インドの魅力は?
◆電動車の販売が好調
➠2022 年の電動車販売は 100 万台を突破し、前年比の3倍で特に二輪が急拡大しています。政府からの補助金やメーカーの積極投資もみられます。日本ではあまり見られませんが、三輪や二輪が急増するなど地域の実情に応じたモデルが多いです。大手が手を出さない分野にチャレンジした新興企業の取り組みは素晴らしいものがあります。
◆宇宙産業
➠規制緩和で民間企業の参入に伴い技術革新が進んでいます。宇宙関連の振興企業は2012年に1社だったのが2021年には101社にまで増加しています。また政府の宇宙予算も2010年度の約930億円から2022年度に約2210億円と急増しています。米国や中国などと比べるとまだまだ差がありますが、追い抜く日も近いかもしれません。
◆3Dプリンター
➠エンジンなどを製造する技術をもっている企業が増加しております。3Dプリンターで製造することで製造期間が短縮しコストも削減し競争力が増しています。電動車や宇宙産業とも相性がよく相乗効果が期待できます。
◆IT企業
➠国内だけでなく世界的に活躍している企業が増加してます。海外のマイクロソフト等の有名企業と提携し業務を行っている企業も増加しています。
◆日用品、生命保険関連、携帯等の通信関連、銀行関連(住宅ローン)、不動産関連
➠人口増加を背景に各企業の利益や規模が拡大しています。インドの面白いところはオフィス街から車で5分ほど離れると急に田舎風景に変わる地域が多くまだまだ発展途上です。
◆人口が世界1位
➠14 億人超の人口を抱えるインドは、人口で中国を抜き1位となります。
経済成長の影
◆貧富の格差が拡大しています。上位1%の資産家が国民全体の4割を占めるといわれています。都市部と農村部での格差も拡大しています。
◆雇用創出が人口増加に追いついておらず、約3割ほどが日本でいうニートであるとの推計があります。
◆男女格差が深刻です。文化的に女性が虐待を受けたり、女児を妊娠したら中絶をしたりするケースもあるそうです。
◆エネルギーが不足しており輸入が増加しています。急速な人口増加や経済成長が主な要因です。
◆カースト問題が深刻です。インドでは昔から7つぐらいの階級があるのですが、ダリト(アウトカースト、不可触民)などは差別的な扱いをされており、暴行事件なども後を絶たない状況です。
インド政府は各問題を解決するために対策を講じていますが、どれも劇的な改善には至っていないのが現状だと思います。文化や宗教などの問題は特に根深く改善には長い時間を要するのではないでしょうか。
4.インドの投資商品は?
国内2商品、海外2商品を紹介します。
◆NFインドNIFTY50
➠東証ETFで購入ができます
➠信託報酬1.045%
➠インドルピーベースのS&PCNXNifty指数を対象株価指数とし、日本円換算したS&PCNXNifty指数に連動する投資成果を目的として発行された有価証券に投資を行い、日本円換算したS&PCNXNifty指数に連動する投資成果を目指したETFです。原則として為替ヘッジを行なわないです。
(出典)楽天証券より
◆iFreeNEXT インド株インデックス
➠投資信託の商品で証券会社等で購入ができます
➠信託報酬0.781%
➠主として、「インド株インデックス・マザーファンド」を通じて、インドの株式(信託財産の規模によっては、日本国債に投資するとともに、インドの株価指数を対象とした先物取引を利用します。同指数との連動をめざすETFに投資する場合がある。)に投資し、「Nifty50指数(配当込み、円ベース)」の動きに連動させることをめざして運用を行います。原則、為替ヘッジを行いません。
(出典)楽天証券より
◆EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド
➠NYSE(ニューヨーク証券取引所)Arca
➠経費率は0.84%(為替取引手数料が別途必要)
➠大型株中心のETFです。ウィズダムツリー インド株収益ファンド(WisdomTree India Earnings Fund )は、ウィズダムツリーインド・アーニングス・インデックスのパフォーマンス(手数料および経費控除前)に概ね連動する投資成果を目指しています。
(出典)楽天証券より
◆GLIN ヴァンエック・インドグロースリーダーズETF
➠NYSE(ニューヨーク証券取引所)Arca
➠経費率は0.73%(為替取引手数料が別途必要)
➠小型株中心のETFです。ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF(VanEck Vectors India Small-Cap Index ETF)は、Market Vectors India Small-Cap Index(同指数)の価格・利回り実績(報酬および経費控除前)との連動を追求します。同ファンドは総資産の最低限80%を同指数の構成銘柄に投資します。
(出典)楽天証券より
インドの状況や魅力をお伝えしてきましたが、正直まだまだ伝えきれていないと思います。それだけインドの将来性には期待が持てると考えています。皆様のなかで少しでも興味を持たれましたらぜひ投資をしてみてください。投資信託なら100円から購入ができます。
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