楽天決算!!楽天モバイルの赤字は改善したが生き残れるか?



楽天グループは6月10日に2023年度第2四半期(4月~6月)の決算を発表しました。

最終(当期)損益が1399億円の赤字(前年同期は1778億円の赤字)で、中間決算が最終赤字となるのは4年連続となりました。

赤字の原因は、皆様ご存知の楽天モバイルです。

楽天モバイルの単体の売上収益が522億円(前年同期比13.3%増)で増収となりましたが、営業利益は824億円の赤字となっています。


楽天モバイル

出典:楽天IR資料より


「Rakuten最強プラン」開始後の契約者数は増加しています。ただ黒字化と言われている800〜1000万の契約者数確保をするには2割程足りません。

解約率に関しては、1.93%と低下しているので良い傾向です。2022年6月の解約率は約8%ぐらいでしたので大きな改善です。また、当第2四半期のMNO ARPU(個人・法人)は、2,010円(前年同期は1,274円)に増加しており、平均データ使用量も増加傾向にあります。

楽天モバイル契約者
出典:楽天IR資料より


楽天モバイルは電波が悪い等の噂や記事などを目にしますが実際は3大キャリアより勝っているところもあるのです。それらも解約率の減少に繋がっている要因といえます。

楽天モバイルとキャリアの比較
出典:楽天IR資料より


三木谷浩史氏が決算説明で、楽天モバイルは2024年以降を事業をフェーズ3(第3段階)として単月黒字化を実現を目指すと説明をされています。第4の携帯電話事業者として、2020年~2022年はスピーディな基地局展開や仮想化技術の確立、顧客基盤の確保という「フェーズ1」と説明されています。そして、2023年は「フェーズ2」として、コストの最適化やネットワーク・ユーザー体験(UX)の改善、マーケティングの精緻化でのユーザー獲得、法人事業といった要素でリーンな(無駄のない)経営を確立する時期と位置づけられています。また、KDDIとローミング協定を結ぶなどのコスト削減に取り組み赤字額も改善傾向にあります。


楽天モバイルテイクオフ
出典:楽天IR資料より


楽天モバイルの黒字化に必要なのがプラチナバンドの獲得です。獲得することでKDDIのローミング費用や新たな設備投資にも大きな改善が見込めます。決算説明では2023年〜2025年合計で3,000億円のコスト削減を目指すと説明さています。

プラチナバンド
出典:楽天IR資料より


楽天の2022年12月末時点の有利子負債(金融事業除く)は携帯事業に参入する前の20年3月末と比べ8割増の1兆7607億円まで膨らんでいます。今後5年で償還を迎える社債残高は1.2兆円、24年に3,000億円、25年には4,000億円の償還を控えています。そのため23年4月に楽天銀行の一部株式を売却し717億円を調達し、西友ホールディングス株の売却、楽天証券HDの新規株式公開(IPO)の準備も進めており、楽天クレジットも同じ道を辿ると考えています。2023年5月の公募増資などで3,320億円規模の調達を発表した際は、日本郵政などの株主にとっては大打撃でした。モバイルの黒字化が更に遅れるようであれば、さらなる増資は避けられなくなり楽天が解体に向かう可能性もゼロではないでしょう。まずは今年度にプラチナバンドの獲得ができるかが鍵です。


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