楽天決算第2段!!楽天経済圏は生き残れるか?

楽天グループは6月10日に2023年度第2四半期(4月~6月)の決算を発表しました。

最終(当期)損益が1399億円の赤字(前年同期は1778億円の赤字)で、中間決算が最終赤字となるのは4年連続となりました。

赤字の原因は、皆様ご存知の楽天モバイルです。

詳細は




しかし、楽天は創業位以来、26期連続通期で増収を達成しており、悪いニュースばかりではないです。


楽天売上
出典:楽天IRより


楽天のセグメントは大きく3つになります。

① インターネットサービス

② フィンテック

③ モバイル


インターネットサービスは、皆さんがよくご存知の楽天市場や楽天トラベルなどで構成されています。今回の決算資料では、良い印象を受けますが、実際は前年同期比−20.4%と減益となっています。一部の資料だけでなく全ての資料に目を通す必要があるので気をつけましょう。


楽天インターネット収益
出典:楽天IRより


楽天インターネット実際利益
出典:楽天IRより


楽天は楽天市場から始まり、現在の核となっているのはフィンテック部門です。皆さんもご存知の楽天クレジット、楽天銀行、楽天証券などで構成されています。楽天の利益はここで生み出されていると言っても過言ではないです。

・フィンテック部門における当第2四半期の売上収益は1,810億円(前年同期比13.3%増)、Non-GAAP営業利益は330億円(前年同期比31.2%増)で増収増益となっています。

・「楽天カード」の発行枚数は、2023年6月末に2,924万枚(前年同期比9.5%増)、当第2四半期のショッピング取扱高は5.2兆円(前年同期比16.3%増)、取扱高シェアも23.6%(2023年5月時点)の状況です。

・「楽天証券」の総合証券口座数は2023年6月末時点で924万口座(前年同期比14.8%増)。楽天証券ホールディングスは2023年7月4日に東京証券取引所プライム市場に上場申請をしています。

・「楽天銀行」の2023年6月末時点での単体口座数は1,405万口座(前年同期比10.8%増)となり、顧客基盤が堅調に拡大しています。

・「楽天ペイメント」の当第2四半期の売上収益は170億円(前年同期比47.1%増)に拡大。「楽天ペイ」や「楽天Edy」における利用者の増加や加盟店拡大により増収を達成しています。




フィンテック利益

出典:楽天IRより



楽天の経営リスクは借金の返済です。モバイル等の投資を社債等で賄っています。楽天の2022年12月末時点の有利子負債(金融事業除く)は携帯事業に参入する前の2020年3月末と比べ8割増の1兆7607億円まで膨らんでいます。今後5年で償還を迎える社債残高は1.2兆円、2024年に3,000億円、2025年には4,000億円の償還を控えています。そのため23年4月に楽天銀行の一部株式を売却し717億円を調達し、西友ホールディングス株の売却、楽天証券HDの新規株式公開(IPO)の準備も進めており、楽天クレジットも同じ道を辿ると考えています。2023年5月の公募増資などで3,320億円規模の調達を発表した際は、日本郵政などの株主にとっては大打撃でした。モバイルの黒字化が遅れるようであれば、さらなる増資は避けられなくなり楽天が解体に向かう可能性もでてきます。

楽天決算セグメント別
出典:楽天IRより

世界的な視点で考えてみると、現在は世界的な景気後退リスクが囁かれています。仮に金融危機がくるようなことがあればフィンテック部門に利益が偏っている楽天の経営は立ち行かなくなるでしょう。リスク分散の観点からもモバイル経営の黒字化を急ぐ必要があります。それもこの1〜3年で楽天の未来が決まるでしょう。個人的には楽天経済圏が好きなので楽天には頑張って欲しいものです。




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